温もりは、どちらから…
- Bunnyz Web Design
- 2014年11月17日
- 読了時間: 3分
飛行機の最終便。
残された便だけを待つ飛行場は、とても静かな場所に変わってしまいます。
途中に通過するだけの搭乗口は、多くの人を見送り、そして出迎え、一日のあわただしい役割を終え、シーンと静かに休息に入っている。
最終便に向かうムービングウォークだけが「まだ、大丈夫ですよ」と安心感を与えるように静かに搭乗口に導いてくれる。
搭乗口では、遊び疲れた若者や、仕事を終えて家路に向かうビジネスマン。朝の搭乗口とは違って、目的地に着いても休息するしかないからなのか、旅立ちにしては脱力感の漂ようツーリストたちが、静かに搭乗の時を待つ。
「お姉ちゃんこれに乗るの?」「そう、この飛行機に乗るのよ」と会話しながら、幼い少女と20代前半くらいの女性が、待ち合いロビーのイスに座った。
「親子じゃない⁉︎」と僕。
女性は「お姉ちゃんがいるから大丈夫だからね」と、少女を勇気づけながら、自分自身の不安感にも「大丈夫だよ」といい聞かせているように僕には聞こえた。
搭乗のボーディングブリッジで少女は、お姉ちゃんの手をシッカリと握って歩く、絶対に置いてきぼりにされないように。少女の片方の手に抱かれている縫いぐるみの手が揺れている。少女が縫いぐるみに「一緒に行くよ!」と手を引いて行くように、自分がお姉さんに導かれているのと同じような姿で…
それが、何とも可愛くて…
機内では通路をはさんで、2人と偶然に同じ列番号の席に座った。僕は、本を読みながらも、時折、母ではない女性が、少女に毛布をかけたり、少女のモニターを操作してあげたりと、立派なお母さんぶりで、気遣っていることに「ホッと」しながら…
僕が読書に入り込んでいると、飛行機は目的地に到着。
降りる頃には、少女は眠たくなったのか女性を抱きしめるように、抱っこされている。
そう、まさに、「抱きしめるように、抱っこされている」というのがピッタリなのです。
思い出しました…子どもを抱く時の、あの安心感。
ふと、子どもから「抱きしめられる」ような一生懸命さで、こちらを幼い子どもが抱きしめてくれると「この子をどんなことがあっても守って行く ‼︎」と自ずからの中に力がみなぎる不思議な感覚。
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